素焼き2

 28日に、25度まで下がり、外気温に近くなりましたので、口をきり、窯だししました。普通のものなら、こんなに神経を使うことではないのですが、収縮差が大きいもの、例えば、分厚いもの、変形のもの、逆に極端に薄くて、広めの板皿などは、冷め割れをしやすく、今回まさにそんな作品が多かったので注意したのです。

 当日は、口を切り、灰を払って釉掛けできる状態にしてから、片づけていたら棚板6枚分の床面積の内、1枚分出来たのみでした。

 窯場の作業は平日は、朝、5時から、8時までしかできません。子守があるからです。また、深夜は、仕事場で、作ったり削ったり、窯道具を用意したりしています。

 29日に、全て出し切りました。割れは1つもなかったです。

 30日。窯の中を掃除しました。

 私の薪窯は、ロストルの下が、深めに設計してあるので、4回ぐらい本焼きできるぐらいは、灰がたまりません。普通は、もっと頻繁に、燃焼室の掃除をするでしょうし、備前焼の方は、全面をきって作品の出し入れをしたり、珪砂をしいたりされるので、焚くたびに掃除されるのでしょうが、性格が怠慢な方の私は、そういう設計にしています。

 しかし、今回、掃除をしないと、ロストルから空気の流入が無くなりそうなほど、灰がたまっていましたので、燃焼室の中に、潜り込み、掻き出しました。薪の投げ入れ口は、81KGの私がやっと入れるぐらいの大きさです。太りすぎたり、また、やせても、筋肉が肩につきすぎると、入れなくなるので、年度始めの今の時期が一番良いです。シーズン終盤は、どうしても作業で、肩に筋肉がついています。

 40リットルのゴミ袋に4つ、松灰を掻き出し、今回は、修理等は省略して、終了しました。防塵マスクが、見あたらず、きつかったです。それと、灰の灰汁は、アルカリで、ゴボウや、蕗のあくだしに使われることは、ご存じの方も多いと思いますが、松の灰汁は特にきつく、1回目のあくだしの時、手袋なしにかき回すと、10分ぐらいで、皮膚が溶けます。だから、今回、直接、皮膚についた灰が、汗と反応して、ひりひりしていて、すぐシャワーを浴びて、風呂に入り、髪を洗い、作業服も洗濯しつつある現在です。

 尚、釉薬を自分で作る方で、材料を買われる方はご存じだと思うのですが、松灰は、以外と高いですね。そう思うと、捨てられませんが、貯まっていく一方です。

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