古墳整備事業・・・古墳調査

岡山市の東部に横たわる、東西約5㎞の操山山塊には新旧およそ150基の古墳が存在する。
この操山山塊の東部、今谷に笠井山(134m)、周辺には就実学園が運営する森林研修センター(通称:就実・森の学校)があります。
この運営地内には古墳時代後期(7世紀後半)の古墳26基が確認され調査・記録・保存が進んでいます。
以下のレポートは就実・森の学校の、古墳の詳細なレポートです。
全国に古墳の数は161.560基あります。
また古墳を保有する県では1位が兵庫県で18.851基、2位が鳥取県、3位が京都府、4位が千葉県、そして5位が岡山県で11,810基保有しています。
                      (平成28年度文化庁調べ)
                                古墳調査に当たった「コフニスト」より

古墳整備事業と古墳調査
科学には、自然科学、人文科学、社会科学などがあり、これらを教育するにあたって、座学と実技の両輪が大切です。
就実・森の学校は、特に実技の部分を「里山」において、学ぶ場所です。
一般に、古墳とは、「歴史」の授業において、その科学的価値を学び、実践としては「見学」することの多いものです。
が、たまたま、就実・森の学校の校地内には、存在は知られているものの、自然の中にそのまま埋もれてきた古墳が数多くあることがわかりました。
「見学」だけではなく、「古墳整備」をも、教育として、考えることが出来る状況です。

ただ、「古墳」は、実物であり、いかに教育のためとはいえ、闇雲に整備したのでは、その価値を損なう可能性があります。
そこで、整備に先立ち、岡山県の中でも、特に古墳に詳しい「研究者」の方に、調査をお願いいたしました。

ここでは、その方の調査結果の報告書にある撮影された写真と文章をもとに、オンラインに適した形にしています。

古墳調査の範囲・古墳の存在場所
古墳が存在する「就実学園・今谷校地」の岡山市の中での位置です。
これは、「おかやま全県GIS」の方に、詳しい地域地図が、用意されていますので、それを利用させて頂きます。
下の概略図をクリックして頂くと、別の画面に、詳しい位置を示した地図が開きます。
イラストマップ

次は、「就実・森の学校」校地内における、古墳の分布図です。
この地図も、調査に当たった「コフニスト」の方の作られたものです。
(他にも、公的機関などが過去に作られた地図があるそうです。が、これは、GPSなど最近の技術を使い、また、何度も訪れて、山の地形を確認しつつ作られた、最新の地図ですので、位置を確認する為には、一番有用です)
註 : コフニストは、古墳の研究者を意味する造語です。  
[ 案内図・古墳編(正) ・小 ]
[案内図・古墳編(正) ・地図小 2020年版 ]
地図をクリックすると、別ページにPDF版の同じ地図が開きます。
情報入りの地図は こちら
調査した人と方法の紹介
   以下は、コフニスト 徳田氏ご本人に書いていただきました。
調査者 : 徳田 仁司 
調査機材: ニコンD7標準レンズ
    : ニコンP500 これは小型で軽量広角と望遠を備えた私にとっては古墳専用です。
調査方法: 位置決定機材は昔、山をやっていた関係で地図と磁石そして距離を測る巻き尺です。
GPS等は使っておりません。
一ヶ所基点を決めそこから東西南北に何m行くと何号墳メジャーが必要なのは古墳の計測がありますので、長短2種類のを使っています。
いわば最も原始的なやり方で、地を這うように一基ごとに進めます。
何m先に次の古墳があるか解りませんので、歩幅を数えながら進みます。
次の古墳が見つかれば直ぐ側の木にマーキングして一旦前の古墳まで戻ります。
そこで方位が解ります。
それからメジャーで距離を測ります。
同じところを何度も行き来していると古墳の内からこの奥にも古墳があるよっと教えてくれます。
そんな気がします。
そして出来たのがShujitsu.5号墳からShujitsu.9号墳まで距離が入っている部分です。
この間は林の中で見通しが利かないためこの方法を採りました。


備考 : 写真、地図などにつけられたファイル名は、HP作成の都合で、編集者TTが、つけたものです。
     このうち、shujitsu_tm_00の「tm」はトレードマークの略ではなくtumulus map=古墳地図の略です。