古墳整備事業・・・古墳調査
Shujitsu.12 号墳  (通称:操山70号墳)
Shujitsu.12号墳を最初見たときにはシダの中に少し顔を出す程度のもので、これほど大きな物とは思いませんでした。
この緩斜面の古墳としては崩壊が激しすぎるように思われます。
古墳時代後期ともなると石の加工も進み、安定感のある築造が為されるのですが、殆ど加工をしていない、自然石で基礎をしっかり固めず、石を積み上げたものですから、1400年の時代の流れの中での災害と、一寸した木の悪戯でここまで崩壊が進んだのでしょうか。
ここまで崩壊してしまうと採寸も意味を為さず、ただ日の目を見ただけで、良しとするしかありません。
築造に関係した人達は、こんなになるとは想像できなかったでしょう。
しかし、これも文化財の一つです。粗末に扱わず、丁寧に後世に残すべきでしょう。
幸いにも学校の校地内で発見されて良かったです。
概観
Shuijitu12_01
唯一残る天井石


概観・遠景
Shuijitu12_02
散乱している石が何故か古墳の石材としては、小さめです。
石の量が少ない様に思います。
玄室 d=2m(+羨道2m)w=1.20m h=60㎝(現状)左片袖式、南に開口



玄室・羨道
Shuijitu12_04
僅かに残る天井石と側壁との接点の見事さ、インカ文明の石積みの見事さに匹敵するものです。
玄室 d=2m(+羨道2m)w=1.20m h=60㎝(参考)
左片袖式、南に開口

この状況では採寸してもあまり意味はありませんので、あえて、計測はしませんでした。
上の数字は、過去の記録を参考程度に記載しました。
奥壁

Shuijitu12_03 奥壁と思います。